会長ご挨拶

 

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                             平成30年4月1日

 

        会長就任にあたって

                           日本鉱業協会  
                             会長  関口  明
 

 
 この度、会員各社のご推挙により、中里会長の後を受け、日本鉱業協会 会長に就任することとなりましたDOWAホールディングスの関口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 当協会は、昭和23年に設立され、本年をもって71年目となります。この間、歴代会長、会員各社ならびに協会関係者のご尽力により、当業界の振興・発展を実現してこられましたことに改めて深く敬意を表したいと存じます。また、経済産業省をはじめ、関係省庁、地方自治体、ならびに労働団体などの皆様からのご支援に対しまして、改めて心より感謝申し上げる次第でございます。

 

 中里前会長は、当業界が長期的に安定した発展を遂げるための諸施策に取り組まれました。特に政府から租税特別措置法は原則廃止との方針が強力に打ち出されている中、精力的に関係各所をめぐり鉱業税制の重要性をご理解いただくことに注力され、海外投資等損失準備金ならびに金属鉱業等鉱害防止準備金制度の延長を実現されました。

 また安全に関して、製造業安全対策官民協議会に積極的に参画され、会員企業に対する情報共有を行われるなど、業界全体の安全に関わる水準の向上に多大なご努力をなされました。

 このような前会長のご努力に対しまして、深く感謝申し上げますとともに、私もこれまで推進されてきました基本路線を引き継ぎながら、課題解決に向けて精一杯努力をしてまいりたいと存じます。

 

 さて、我が国経済は、世界経済の回復による輸出の伸びとともに消費の改善が続き、回復の足取りがよりしっかりとしたものになりつつあります。世界経済もアメリカ、ヨーロッパをはじめとして全体としては景気の拡大基調が続いております。しかしながらその一方で、アメリカの保護貿易主義的な政策への移行の動き、中国の成長調整局面、中東・北朝鮮における地政学的緊張・リスクの高まりなど、先行きに大きな不安定要素も抱えております。こうした中においても、当業界が長年にわたり培ってきた技術と経験を十分に活かし、非鉄金属素材の安定供給と循環型社会の構築という社会的使命を果たしながら、我が国の持続的な発展に貢献するべく、今年度は引き続き以下の課題を中心に取り組んでまいりたいと考えております。

 

 第一の課題は「資源の安定確保」であります。

 我が国の産業にとって必要不可欠な非鉄金属資源を確保し、高品質な非鉄金属素材を安定的に供給し、我が国製造業の競争力の基盤を支えることが当業界の社会的使命であると認識しております。

 しかしながら、資源メジャーによる寡占化の進行や中国など新興国の国策的な資源獲得戦略、資源ナショナリズムの高まりなど、資源確保に向けた競争は世界的規模で激化しております。加えて海外鉱山の権益取得や開発に必要な資金と時間は年々増大しており、本邦企業による海外資源開発を取り巻く環境は厳しさを増している状況です。

 このような環境のもとにおいても、我が国の安定的な資源確保に向けて長期的な視点に立ち、積極的な海外資源開発が継続できるよう、引き続き独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)などの政府系機関の機能強化・拡充や、税制においては、減耗控除制度をはじめとした諸制度の恒久化・拡充など、一層の支援強化を訴えてまいりたいと考えております。合わせまして、資源確保のための資源外交についても、当業界として積極的に協力してまいります。

 

 第二の課題は「電力問題」であります。

 当業界は長年に亘り、省エネ・省電力の取り組みを重ねているところでありますが、原発再稼働の遅れによる電気料金水準の高止まり、またFIT制度における年々増大する賦課金の負担の影響は極めて大きく、このままでは国内製錬所の競争力が失われかねない状況にあります。我が国産業の基盤である非鉄金属素材の安定的供給、循環型社会推進の担い手といった社会的使命を果たしていく上においても、国際的に遜色のない価格水準での安定的な電力供給は極めて重要であります。このために安全規制基準に適合した原発の早期稼働やFIT賦課金の減免措置、省エネ対策における補助の維持・拡大など、電気料金の影響緩和と安定的な電力供給のための諸施策をお願いしたいと存じます。

 

 第三の課題は「リサイクルによる循環型社会の構築」であります。

 当業界は長年にわたって培ってきた固有の製錬技術や設備を活かすことで、金属資源のリサイクルを通じ循環型社会推進の担い手として大きな役割を果たしております。都市鉱山とも称される使用済み製品、部材のスクラップはもはや我が国にとって欠かすことのできない重要な資源ですが、一方で、輸入手続きの煩雑さや国内での回収物の海外流出はリサイクルによる循環型社会の構築に支障となっておりました。

 しかしながら、昨年の25年ぶりのバーゼル法改正によりこうした問題の改善への大きな進展が期待されます。10月施行の関係省令を含め都市鉱山資源のさらなる有効活用にむけて、引き続き国や自治体と連携しつつ、より適正なリサイクルシステムの整備・構築にこれまで以上に取り組んでいきたいと考えております。

 

 第四の課題は「人材確保と育成の強化」であります。

 当業界は、大学における資源系講座の廃止による専門的な教育機会の減少や、国内鉱山の相次ぐ閉山やエンジニアの世代交代による技術・技能伝承問題などに対応すべく、一般財団法人国際資源開発研修センター(JMEC)における人材育成事業など、積極的に人材育成に取り組んでまいりました。しかしながら、近年の資源系の中堅教員層の減少、資源分野への学生の関心の低下、くわえて少子化による学生そのものの減少と、人材育成と確保をめぐる状況は依然として深刻な状況にあります。

 次世代を担う大学生および大学院生を対象とした人材確保と育成の強化につき、国や関係機関による支援もお願いし、産官学が連携してさらなる努力を進めてまいりたいと考えております。

また若年層向けの広報活動も引き続き続けてまいります。

 

 このほか、地熱エネルギーなどの国内資源の開発促進、鉛・亜鉛等の特性を活かした新たな需要分野の開拓、ならびにスラグ等副産品の用途拡大などにつきましても、引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 

 これから1年間、会員各社のご理解とご協力をいただいて、これらの諸問題に全力をあげて取り組んでまいる所存ですので、関係各位のご指導とご支援を重ねてお願い申し上げて、私の就任のご挨拶とさせていただきます。

以上

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